真っ青な硝子に
ぴたりと張り着いて
外を夢見る

きっとこのガラスの外
夜の空気は突き刺さるほど
鮮やかに胸しみ込んでいく

世界の底
よどんだ空気
突き出す真っ黒な刺
夜の魚がその間を
すり抜けていく

ピンクの電飾
ブルーのネオン
追いかける蝶
ゆらめく羽が漂う

カゲロウ
曖昧に浮かぶ世界
全てが誰かに
壊されるのを待っている

捕らえられた夜の魚

焦れるこころ

還りたい
そのままに進化する

ただ一つのドア
開く予感に走り出す


蜘の糸でつながるガラス
ゆっくりとはがれ
無数の真っ白な蝶
舞い上がる
広がり
包み込む
解き放たれる

ああ 待ち望んだ夜の香り

夜に棲む魚 誰の腕もすり抜け
留まることはない
進化を遂げた羽根を広げ
瞬く合間に
夜の隙間へ還える






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